驚くばかりの芸術性、縄文土器

活動報告

驚くばかりの芸術性、縄文土器

釈迦堂博文館展示品 釈迦堂博文館展示品

甲州市と笛吹市で運営している釈迦堂博物館の収蔵企画展を見学した。山梨県は縄文文化が花開いた土地であり、縄文王国と言われているが、中でも釈迦堂はいわば土偶センターで、各地から集まった人々がここで土偶を焼き、お祭りがおこなわれていたと考えられている。当時の土偶作者がその技術や芸術性を競っていたことは、今回展示されていた作品を見ても想像できるし、そのレベルはかなりのものだ。

今から5,000年前の縄文時代中期の釈迦堂遺跡の生活は、2~3度の気温が下がった気候変動の影響を受けた。ドングリなどが収穫できなくなり、食料の中心がトチの実に頼らざるを得ず、トチの渋抜きに使ったであろうツボや、大切に木の実を保管したと思われるツボは、豪華に装飾がなされ、今見ても私たちを圧倒する。

今までの食料を確保できなくなり、集落が維持できなくなったことを思うと、私たちが自ら作り出している現代の気候変動が、どういう形で私たちに襲いかかってくるのか、そのことにも気付かせてくれる素晴らしい展示会でした。

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